博士課程の卒業にあたり,「博士課程に進学するか否か迷っている方」「博士課程はどうだった?」「卒業後の進路は?」という点について,過去の自分自身が知りたそうなことを簡単に記載しておきます.
1. 博士課程に進学するか否か迷っている方へ
「人には人の博士課程があるので,様々な人に実際に話を聞きに行くべき」
博士進学を悩んでいるということは,研究をしたいが博士課程の不安(進路やお金等々)があるのではないでしょうか?
修士から博士に進学した人,社会人を経験してから大学に戻ってきた人,社会人ドクター,博士は持っていないが会社で研究職についている人など,研究を続ける方法は複数あります.
そして,それぞれの人の理由が合って研究しているはずなので,話を聞いて自分に合った方向性を探すのが良いと思います.
自分は「研究をしたい」だったので,修士の就活時に研究職にアプローチしていました.そこがだめだったこともあり,博士課程の方で研究しようということで進学しました.「研究をしたい」を満たせたので僕としては悪い選択肢ではなかったです.
2. 博士課程はどうだった?
楽しかった.(生存バイアス)
JAXAの研究室にも半分所属していたおかげで,ロケット実験や気球実験の手伝い・見学に行け,さらに博士課程の間に自身の気球実験も実施できました.併せて,研究室外の先生と議論できる機会が格段に増え,自分の内側を広げられるよい機会でした.
だからこそ,留学などもっと自分の知らない世界に飛び出せばよかったというのもあります.
博士課程の大変さ(金銭面,体力面,精神面)については,ネットに落ちている情報通り,きつい面がありました.博士課程がつらいといわれるのも納得です.
運の影響が大きい点も多々ありますが,周りのサポート(後輩くん,実験手伝ってくれてありがとう)もあって,自分は良い思い出にできたという現状です.
3. 博士卒業後の進路は?
研究ができることを目指し,JAXAの方でポスドクをします.
民間の就活ほど数は多くないですが,アカデミアのポスト(助教,ポスドク)を探して,自身の研究テーマを発展させれそうなところを選択しました.結果として受けなかったものもありますが,応募できるポストは何個かあったので,そこまで不安はありませんでした.
ただ,アカデミアの就活時期が基本的に遅いので(8-11月),「失敗したら民間に行けばいいや」とはいかない面は覚悟する必要があります.
自分の周りでは,これまでの伝手(共同研究先,インターン先,先生の知り合い)で一本釣りする方が多い印象です.
4. 結言
「迷っているなら博士に行くな」というのはその通りですが,迷って悩んで考えた末に覚悟をもって博士課程に進学すれば問題ありません.
僕はこの研究室を卒業しますが,良い先生方がいるので悩んでいるのであればお話をしてみてください.
それでは,良いドクターライフを!
H. Takasawa
2024/09/25