RERA2024
今年度も2022年度のRERA-1, 2023年度のRERA-2,-3に引き続きゴム気球を用いた新型大気圏突入カプセルの飛行試験: RERA-4(Rubber balloon Experiment for Reentry capsule with thin-type Aeroshell)を予定しています。直径80㎝のフルスケールのカプセルを高度25㎞から投下し、自由飛行中の姿勢挙動を取得します。今までのフライト実験では重心位置・慣性モーメントをそれぞれ変更した機体で実験を行いましたが、結果はどれも安定的な飛行でした。今回のRERA-4では重心位置をさらに大きく後ろにすることで動的な不安定現象を再現することを狙っています。
RERA-3放球時 |
機体設計
カプセルの機体設計では重心位置が姿勢の不安定化に対して重要なパラメータの1つになっています。基本的に重心位置が後方にあると不安定化しやすく、今回のRERA-4では不安定現象の再現のために重心位置をRERA-1,-2,-3よりも後方に位置させます。設計の目標重心位置は遷音速風洞試験や落下試験の結果を受けて決定しました。図を見ていただくとRERA-4はRERA-2と比べて円筒部が長くなっているのがわかると思います。円筒部を長くし搭載機器を後ろにずらすことで重心位置を下げています。
RERA-2(左)とRERA-4(右) |
神頼み
実験準備のために4,5,6月は相模原の宇宙科学研究所に来ていました。機体の製作と各種試験を実施し、無事に出来上がった実験機の発送を完了しました。ここまで来たらできることは祈ることのみで、宇宙科学研究所の近くの神社と北大近くの神社の2か所に成功祈願のお参りに行ってきました。今年こそ無事にくるくると不安定化してほしいです。
宇宙科学研究所近くの新田稲荷神社(左)と北大近くの札幌諏訪神社(右) |