2022/08/08

大学院講義 (2022):大気突入機設計特論

大学院講義
2022年7月25日--8月4日の期間において Hokkaido Summer Institute 科目の宇宙飛翔体設計特論 (Design of Spaceflight Vehicles) を開講しました。今回は久しぶりに対面で行っています。

宇宙から地上に帰還する大気突入・緩降下・着陸 (Entry, Descent, and Landing; EDL) 過程と宇宙機の開発に関するお話がこの科目の主な内容になります。
今回はわたし(高橋)の他に、2名の外部招へい講師による講義を行いました。

以下がそのトピックです:
1. EDL概要
2. 軌道力学の基礎
3. 数値流体力学の基礎
4. 等エントロピー過程とラバールノズル
5. 衝撃波と衝撃波管
6. 2次元流れ
7. 高温気体モデルと空力加熱
8. 惑星大気突入プラズマと通信ブラックアウト
9. 空力特性と空力不安定性
(10. 流体構造連成解析モデル): スキップ
11-12. 宇宙ミッション(山田和彦准教授, JAXA)
13-16. 高エンタルピー風洞とEUにおける宇宙ミッション (Prof. Gülhan, DLR)

この講義では受講者向けに軌道解析コードと非構造格子圧縮性流体向けのCFDコードも公開しました。教育目的で自由に使えるものです。Python3で書いています。今年の3月より苦労して作っていたものですが、しかし、さて、使ってもらったのでしょうか...。

ノズル流れのCFDです。ノズル出口で適正膨張しています。

招へい講師とのディスカッション
招へいを伴う大学院講義ではやはり講師の方々との講義後のディスカッションがもう一つの目的になります。これまでの研究や今後の研究について研究室との学生も含めて話し合いの機会も作ることができました。

その後
2週間で全14,15回の集中講義は、講義する方も受講する方もやはり大変で非常に疲れ...良い思い出になりました。あと再講義も行います。

ウェブサイト
講義の詳細はこちらのウェブサイトに記載があります。

Y. Takahashi, 2022/8/8

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