こんにちは.修士2年の酒井智基です.
昨年(2023年)の12月7~9日に横浜にて開催されたオープンCAEシンポジウム2023に参加し,優秀学生発表として表彰いただきました.遅ればせながら,学会の参加&受賞報告をいたします.
・12/6 前日入り
オープンCAEシンポジウムは12/7に講習会,12/8,9にシンポジウムという日程でした.今回研究室からは私と計算流体B4の中道君で参加し,前日入りして中華街に行きました.会場と宿泊しているホテルの近所にあり,夕飯はこちらで食べました.
こんにちは.修士2年の酒井智基です.
昨年(2023年)の12月7~9日に横浜にて開催されたオープンCAEシンポジウム2023に参加し,優秀学生発表として表彰いただきました.遅ればせながら,学会の参加&受賞報告をいたします.
・12/6 前日入り
オープンCAEシンポジウムは12/7に講習会,12/8,9にシンポジウムという日程でした.今回研究室からは私と計算流体B4の中道君で参加し,前日入りして中華街に行きました.会場と宿泊しているホテルの近所にあり,夕飯はこちらで食べました.
投稿論文Static attitude stability of deep space sample return capsule with thin aeroshellがCEAS Space Journalにアクセプトされました.本論文では,薄殻エアロシェル型カプセルの幅広い速度域における静的な安定性について,実験と解析の両面から評価しています.
Abstract
将来的なサンプルリターンとして,土星圏を対象としたサンプルリターンが計画されています.これまでのはやぶさカプセル形状と異なり,より軽量かつ大きな投影断面積の薄殻エアロシェル型カプセルであれば,地球帰還時の熱にも耐えられると考えられています.一方,軽量化のためパラシュートがなく,十分に減速するためには適切な姿勢で飛行する必要があります.そこで,本論文では,カプセルが流れ場に対し迎角を持って停止した際の静的安定性や基本的な空力性能,地球突入時の軌道について議論しました.
はやぶさカプセルは再突入時の速度が12 km/sであり,このときの最大空力加熱は15 MW/m2程度です.一方,薄殻エアロシェル型カプセルは再突入時の速度が15 km/sとより高速であるものの,最大空力加熱は10
MW/m2以下でした.これは,軽量かつ大面積により密度の薄い高高度から減速できたためと考えられます.
また,風洞試験と数値解析により迎角がついた際にカプセルに生じるモーメントが評価されました.これらの結果から,迎角変化を打ち消す方向に常にモーメントが生じること,すなわち静的に安定であることが確認されました.この静安定メカニズムとして,カプセル前面に生じる圧力差が主要因であることが解析結果から示唆されました.
図2 静的安定メカニズム [1]
投稿論文としての薄殻エアロシェル型カプセル関連はこれが初出になるため,これを元に次世代サンプルリターンカプセルについて発展させていければと思います.
その他
ここでは,Mach 0.14 - 4.0を対象しており,様々な流れ場条件を用いています.解析では計算条件を入力すればよいですが,ここまで幅広い流れ場を作れる風洞はありません.そのため,3つの風洞を用いてこれらの成果を得ました.風洞が変わるとアタッチメントや適切なカプセル直径等々が変わるため大変ですが,様々な風洞を利用する良い機会となったため,とても勉強になりました.
本論文のURLは下記の通りです.
https://link.springer.com/article/10.1007/s12567-024-00551-1
[1] Takasawa, H., Fujii, T., Takahashi, Y. et al. Static attitude
stability of deep space sample return capsule with thin aeroshell. CEAS Space J
(2024).
H. Takasawa
2024/05/14
アーク風洞実験
This is Liu. I am glad to share my experience in joining Boeing Japan University Externship. It contains lectures about sustainable aviation, supplier management, global service, technologies, etc. Students are asked to present their solutions to a problem that current aviation faces. My team proposes an algae-sustainable aviation fuel (SAF) solution to tackle the problem of carbon dioxide emission. Our proposal won the on-campus primary competition and joined the Boeing University Summer Seminar 2023. As a result, we won the Boeing University Summer Seminar 2023 Champions title (best presentation/proposal).
To talk about aviation's carbon emissions, it accounts for 2.5% of global emissions. Airports are a major cause of emissions, and airports in Japan emit 3.87 million tons of CO2 annually. People are trying to use hydrogen to tackle the problem. However, is using hydrogen as aviation propulsion fuel truly zero emission? More than 95% of hydrogen production is grey hydrogen, that is, CO2, as a by-product of hydrogen.
Thus, we introduce algae to absorb CO2 emissions. Algae can produce fuels and other products efficiently. This is how our solution works. We like to collect CO2 in the hydrogen factory and use it to cultivate algae and use algae to produce SAF for the aircraft. It is a win-win for hydrogen aircraft and original aircraft. We also plan to grow algae near the airport to absorb the airport emissions and support algae SAF production.
There are some difficulties, like technical problems in algae to SAF transformation. Nevertheless, if we cooperate with other companies, the problem will be solved quickly, and the cost can be lowered. Overall, algae is a profitable way to reach zero emissions.
When constructing the proposal, it is necessary to consider both feasibility and cost. The order of the presentation is also essential to catch the audience’s eyes. Attending this event strengthened my presentation, creative thinking, leadership, and teamwork skills. I appreciate having this chance to win the title.
RERAプロジェクト
当研究室では昨年度よりゴム気球を用いた大気突入カプセル自由飛行実験 RERA (Rubber balloon experiment for reentry capsule with thin-type aeroshell) を実施しています.パラシュートを必要としない薄殻型の新形状カプセルの自由飛行時の姿勢安定性を明らかにするため,高高度から模型を投下して姿勢データを取得します.昨年の実験の様子はこちらで報告しています.今年のRERAでは重心位置と慣性モーメントを変更した2機の放球を実施しました.
RERA-2 https://www.isas.jaxa.jp/topics/003452.html
RERA-3 https://www.isas.jaxa.jp/topics/003453.html
気球実験
実験は北海道の大樹町で実施しました.同じ道内とはいえ,北大からは車で4時間以上かかる場所です.
気球実験は気象条件が鍵なので風向きや天候が悪いとそれだけ実験期間が延びてしまいます.ですが今年も気象条件が素晴らしく良かったため,7月8日にRERA-2,9日にRERA-3と連日の放球になりました.放球の日は午前3時ころにホテル発,日の出とともに作業開始というような動きでした.
実験場に到着してから,電源を入れて最後の動作テストを実施しました.搭載センサーの値とカメラの画像がしっかり受信できたことを確認していよいよ放球です.天気は晴れ,地上もほぼ無風とこれ以上ない気象条件でした.特にRERA-3の時は風も雲も少なく,気球にぶら下がったカプセルが高度数kmまでまっすぐ上昇していく様子が地上からも見えました.
2つのカプセルは地上にデータを送りながら順調に高度を上げていき,切り離し高度に達しました.実はこの実験はここからが本番なのです.といっても見守ることしかできませんが...
気球から切り離されたカプセルは風に流されながら数十分間の自由飛行に移ります.この間もカプセルはデータを送信し続け,放球からおよそ2時間後に大樹町沖に着水しました.これで試験終了となります.日頃の行いがよかったのか,天候も味方して今年の実験も最短スケジュールで駆け抜けました.
今回とれた飛行データは昨年の結果と合わせて姿勢不安定性の議論が行われます.それについてもいずれ当ブログで紹介していきます!
T. Miyashita, 2023/7/20
EUCASS
EUCASS(2023/07/10-14)に現地スイスで参加しました.今回はブログで何度か紹介している自由振動試験についての結果をまとめ,発表しました.
空力不安定性と自由振動試験
空力不安定性は,カプセルが自由飛行時に振動・回転してしまう現象であり,効率的な空力減速を妨げることから低減化することが求められています.そこで,JAXAの遷音速風洞を用いて振動試験を実施し,カプセル形状を変更した際に低減化できるのか調べていました.
マッハ1.3の流れ場内で,一定の振幅で振動を続けるリミットサイクル現象が確認されました.これははやぶさカプセルと同様の傾向です.
2023年1月のスイスのビッグマック指数は世界1位で942円(日本は410円).ビッグマックは日本の2倍以上の値段ということで,とても物価が高いことがわかります.
そのため,市内の乗り物が乗り放題になるトラベルパスをホテルでもらえたのは,とてもたすかりました.
パンやお肉はとてもおいしく口に合ってよかったです.
オーストラリア気球実験
豪州気球実験(2023/05/11)に見学者として参加してきました.
本試験の目的は,「はやぶさ型カプセルの遷音速・低速域における飛行安定性評価」と「パラシュートの性能検証」です.そのため,直径60cmのカプセルを高度約40kmから投下し,自由飛行させました.約2分の自由飛行後にパラシュートを展開,軟着陸と試験を成功させました.
常に無線でデータを送っているものの,データの送信量には限界があります.そのため,着陸したカプセルを回収し,データを吸い出すという流れになります.すなわち,着陸時やパラシュート開傘時の衝撃に耐えることのできる設計が必要となります.
私たちの研究室で実施している気球実験RERAとは異なり,陸地に着地するため,大量のデータを取得することが可能となっています.
大気球試験では,放球前日の夜中から作業を開始し,早朝に放球,夕方に大気球が着陸というとても長いスケジュールになっています.
私は一見学者でしたが,これまで積み上げてきた過程を少し知っていたため,大変な中無事に成功してよかったです.
関連HP
オーストラリアでの大気球実験記
https://www.isas.jaxa.jp/gallery/feature/isas/isas_20230605.html
オーストラリア気球実験B23-02の実施終了について
https://www.isas.jaxa.jp/topics/003396.html
その他
今回の気球実験は,3-5月の期間で実施されていました.3月の最高気温は30度以上であり,5月の最低気温は0度と実験期間内の寒暖差がとても激しいです.
最初の方に現地入りした方々は半袖しか持ってきておらず,苦労していました.
実験期間が読めない場合はその辺も気をつけないと,と思いました.
H. Takasawa, 2023/07/19
RERA-MAW-2 毎年、ゴム気球を用いた薄殻型カプセルの自由飛行試験RERA (Rubber balloon experiment for reentry capsule with thin-type aeroshell) を行っています。今回の試験RERA-MAW-2では、...